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株式会社テレビ宮崎様

3局クロスネット運用を実現するシステムを独自開発
2007年4月の統一地方選挙をキッカケにDDC-Cueによるデータ放送コンテンツの強化を図る

左から佐々木氏、迫園氏
左から佐々木氏、迫園氏

テレビ宮崎は国内唯一の3局クロスネット局(フジテレビ系、日本テレビ系、テレビ朝日系)で、2006年12月1日に地上デジタル放送を開局した。その開局と同時に12セグ・ワンセグの地上デジタルデータ放送も開始している。通常、12セグとワンセグ、そしてデータ放送を同時に開局するには1系列でも難しいと言われるなか、テレビ宮崎は一気に3局クロスネットによる運用を実現している。デジタル推進局デジタル室課長 兼 情報システム室課長の迫園洋二氏は、設備の概略について次のように話した。

技術局技術部 佐々木良高氏
技術局技術部 佐々木良高氏

「通常の場合であれば、各系列共、共通コンテンツがキー局から流れてくる仕組みですが、当社の場合は3局クロスネットなので、参考になる事例は全くなかった。導入コスト、運用コスト、運用スタッフなどを考慮して、自局でオリジナルの非連動コンテンツを用意し、キー局の番組連動コンテンツと遷移できるような仕組みを作った。系列局ごとに番組連動コンテンツへの画面遷移が必要になるので、系列局別に非連動コンテンツも3パターン用意している」

各系列対応運用システム
各系列対応運用システム

ワンセグ監視
ワンセグ監視

マスター室
マスター室

独自設備運用マニュアル
独自設備運用マニュアル

テレビ宮崎ではデータ放送の開始にあたり、2004年秋から地上波デジタルデータ放送をどうシステム的に運用していくか検討を重ね、3局クロスネットでの運用を実現する地上デジタルデータ放送設備を開発した。2004年秋の検討開始から2年以上にわたり、技術局技術部主任の佐々木良高氏が中心となって設備構成を検討し、最終的に運用可能な方向性が見え出してきた段階で、データ放送設備を担当していたNECと、データ放送コンテンツで天気予報などの非連動コンテンツを制作しているウェザーニューズの協力を得ながら、設備の運用シミュレーションとテストをしていったという。

「非連動コンテンツはフジテレビ系、日本テレビ系、テレビ朝日系の3パターンが常時、NEC製データ放送設備に入っている。ここには編成によっては3系列各発局からも番組連動データ放送コンテンツが流れてくる。そこで、データ放送設備の中で、当社の非連動コンテンツと発局の番組連動コンテンツとが画面遷移できる仕組みが必要になる。連動コンテンツがある場合は、それを優先して表示しないといけない。連動コンテンツでメニューやニュース・天気予報のボタンが押されたときに、当社の非連動コンテンツにジャンプする。非連動コンテンツからは連動コンテンツにもどるためのボタンが必要になるので、系列局ごとに3パターンが必要になるわけである。画面での非連動コンテンツの見た目は同じだが、ESの構成は各系列のガイドラインに従い、異なっている。」(佐々木氏)

3パターンは一見簡単なようだが放送開始前に配慮しておかねばならない事項が想像以上に多くなったようだ。3系列ごとにデータ放送コンテンツのNVRAM領域を確保する必要があるため、系列ID自体も3つ利用しているが、フジテレビ、日本テレビ、テレビ朝日の各局にデータ放送運用面やNVRAM使用方法について説明して了解を得る必要があるのと、双方向データ放送用には、系列局ごとに汎用ルート証明書の契約会社が違うため、ベリサインとサイバートラスト(旧ビートラステッド・ジャパン)の2社と契約している。

メーカー別画面検証
メーカー別画面検証

こうした独自設備の導入に合わせて、佐々木氏は設備運用マニュアルも作成。現在、技術部所属の全員が運用マニュアルに沿ってデータ放送の運用ができる体制を整えた。

2006年12月の開局ではデータ放送の気象に関してはウェザーニューズが担当しているが、テレビ宮崎では翌年の2007年にはローカルデータ放送コンテンツの拡充に着手した。まず手始めに2007年4月の統一地方選に向けてメディアキャストのテンプレート型コンテンツ更新システムを導入し、その開票速報コンテンツ制作と運用立ち上げに関する相談をメディアキャストへ依頼した。

3局クロスネット局である特殊な事情から各系列の運用に対して満遍なく精通し、ウェザーニューズとの連携も実績の多いメディアキャストの技術スタッフが、ウェザーニューズの協力のもと約2ヶ月間の短い期間で運用方法とコンテンツ仕様を取決め、システム構築とコンテンツ制作を行った。そのコンテンツはウェザーニューズが制作した非連動コンテンツ(トップ画面)に『開票速報』というボタンを設け、このボタンを押すと、DDC-Cueで作成されたデータがテンプレートにはめ込まれてページ表示される仕組みだ。DDC-Cueは、選挙システムのデータベースと連動しARIB変換と共にウェザーニューズの送出装置へ情報を更新している。

データ放送 県議選開票速報
データ放送 県議選開票速報

ワンセグ 県議選開票速報
ワンセグ 県議選開票速報

「ARIB規格には多少の知識はあるものの、局内の少ない人材のなかでデータ放送コンテンツを拡充していくのに大きな不安を感じていた。クロスネット局としての特殊なシステムと運用方法を直ぐに理解し、我々の要望を的確に反映させたメディアキャストのシステム提案とコンテンツ制作は大変助かった。また通常では半年以上の期間を要する作業を約2ヶ月間という短い期間で立ち上げるためにメディアキャストの技術スタッフが宮崎に泊まり込み、夜中の送出テストを連日繰り返すことで無事に選挙開票速報が実現することができ大変感謝している。」(佐々木氏)

データ放送画面(トップ)
データ放送画面(トップ)

ワンセグ画面(トップ)
ワンセグ画面(トップ)

また迫園氏は地方選挙開票速報の成功でデータ放送に対する局内の見方が明らかに変わったと話す。

「3局クロスネットということで、設備の立ち上げ時は技術先行で考えてきた。確かに、設備を組み上げるのには3局分以上の苦労もあった。選挙の場合、候補者の写真も含め、開票データを随時見ることができるのは、データ放送の強みですね。地方選挙の開票速報を行うことが決まったのが選挙まで2カ月余りしかない時期でしたが、問題もなく運用できてホッとしています。データ放送による開票速報を終えてみれば、局内からデータ放送をこんなことにも使えないかと提案が出るようになり、局内でデータ放送の可能性が広がったことも大きかった。」

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