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札幌テレビ放送株式会社様
ワンセグ動向を見据えデータ放送独自コンテンツを強化

左から島氏、藤森氏
札幌テレビ放送は、全国展開可能な番組連動のデータ放送コンテンツ制作を目指して、2006年6月1日早朝から地上デジタル放送を開始と共に固定受信向けとワンセグ向けのデータ放送も開始した。また朝、夕の自社制作生ワイド番組では番組連動データ放送もスタートしている。
技術局次長 兼 コンテンツ技術部長を務める藤森俊一氏は、データ放送の取り組みについて次のように話した。
「札幌テレビでは地域情報を主とするローカルデータ放送コンテンツと共に、北海道特有な情報や番組をデータ放送と共に全国の系列各局へ提供することを目指 しています。そのキッカケとして、これまでの放送用ネットワーク回線はアナログとデジタル個別に、放送用、素材受け渡し用、データ放送用に分けて借りる必 要があり、他局からの受信だけが可能な回線を借りている状態でありました。つまり自局番組と連動したデータ放送コンテンツを流すことは難しかったのです が、2006年12月1日からアナログ放送とデジタル放送とを同時利用する場合においては、デジタル放送回線使用料の大幅な割引が適用されることになった ため、発局利用も可能な回線へと変更することで番組連動データ放送が可能になりました。これで番組と共に連動データ放送込みで全国放送できる素地が整った ことになります」

マスター設備
技術局コンテンツ技術部 副部長で、データ放送コンテンツの統括をしている島昌弘氏は、全国展開するためのコンテンツは制作面にも難しさがあると言う。
「番組連動データ放送コンテンツの全国展開は、各局で制作設備も異なりコンテンツも違う中で、番組連動データ放送と、各局の天気やニュースなどの通 常コンテンツと組み合わせるものになるため、それらに支障の出ないものを制作する必要があります。また、ネットワーク局ごとの運用ガイドラインに沿わせる 必要もありますから、制作時の検証作業はかなりハードルが高くなります」
現在、札幌テレビ放送で導入しているシステムは、固定受信用BML編集ツール「Foliage」、ワンセグデータ放送用BMLオーサリングツール「Foliage typeC」、デジタルデータ放送用画像編集ツール「SceneCreator DD」、デジタルデータ放送用受信機動作検証システム「ShotMUX」の各システムだ。制作系のツールは複数本導入し、関連会社であるエイチ・アイ・ディ社や美術担当者と連携し、画面デザインからBMLプログラミング、そして検証工程までの効率的な制作フローを確立している。

データ放送制作端末
制作サポートによりデータ放送制作技術のスキルアップ向上
札幌テレビ放送のデータ放送への取り組みは、放送開始約1年前のメディアキャストの制作サポートサービスからスタートした。制作サポートサービスとは ARIB規格に精通したメディアキャストの技術スタッフによるデータ放送制作技術のスキルアップを目的とした教育サービスで、月に2回のペースでメディア キャスト技術スタッフがSTVを訪問し、プログラマ、デザイナ、送出技術など様々なスタッフが約半年間受講したという。
「当初STVではアナログデータ放送を実施していなかったため、デジタルデータ放送に関する制作、送出のノウハウがなく、データ放送用コンテンツ制作のノ ウハウを習得するために制作サポートサービスを導入したことは良かったと感じています。特に、データ放送におけるカラーマネジメントや、高齢者や色覚障害 者などを含めた、ユーザビリティ、ユニバーサルデザインなど多岐にわたる内容はなかなか聞けないものであり、とても参考になりました。直接プログラミング をする担当者だけでなく、送出技術担当者やグラフィックデザインに関わる担当者も受講したことで、その後の運用がよりスムーズになりました」(島氏)
札幌テレビ放送では、インターネットや携帯向けコンテンツの増加に伴い、2000年以降にコンテンツマネジメントシステム(CMS)を自社開発しており、 各部署で情報の更新を行ってきた。今回、データ放送については従来のCMSのユーザーインタフェイスを踏襲しながら新規にデータ放送用CMSを開発し情報 更新ができる態勢を整えている。データ放送CMSへの情報更新に関わるスタッフは、社内で合計60人以上になるという。

データ放送モニタ
Foliage typeCとShotMUXによる精度の高いコンテンツ動作検証環境を構築
実際のデータ放送コンテンツ制作作業は、美術・デザイン担当者がPhotoshopでの素材制作と共にSceneCreator DDによる減色/圧縮を含めた最終的な出力画面の色味までを責任を持てるようにしている。素材ができ上がった後、データ放送コンテンツ制作担当者が Foliage、Foliage typeCでBMLプログラミングを行い、データ放送コンテンツとして完成させている。固定受信用コンテンツの検証はShotMUXを使用して実機で行 い、ワンセグ用コンテンツのデバッグと検証はFoliage typeCで一通りの検証を終えてから、ShotMUXで実機での確認を行っている。
「BMLはECMAスクリプトを含めて、プログラミングの要素が大きいので、規格の解釈も含めて、Foliage typeCのデバッグ機能が充実しているのは非常に助かります。それまでは複数の実機で確認していたので検証作業が煩雑だったのですが、携帯電話サイトと 違い実機にコンテンツを合わせていくというよりは、データ放送の場合はARIB規格にきちんと合わせることが重要だと改めて感じます」(島氏)
「今後も多数のワンセグ受信機が発売されることや、STVとして番組連動データ放送を全国発信していくにあたり、今後は厳密なARIBチェックが求 められ、実機での確認前に、まずはFoliageシリーズで検証しARIB規格にキチンと準拠していることが最低条件で、弊社の社内での制作においては ARIB規格の解釈に厳密なFoliageシリーズやShotMUXで検証は必須条件としている」と島氏は話した。
島氏はまた固定受信用とワンセグ用に同じ内容を盛り込んでいくにしても、固定受信用の方が制作が大変で制作期間もかかるため、固定受信用にも Foliage typeCと同様のプレビューとデバッグ環境が必須であることを指摘すると共にメディアキャストからFoliage typeAが発売されることを期待している。
札幌テレビ放送では、2007年1月14日には「STVカップ国際スキージャンプ競技大会」において固定受信とワンセグ向け連動番組の全国放送も行っており、今後、2008年の免許更新後のワンセグの動向も見据えながら、独自コンテンツを更に強化していくという。

