【データ放送リーディングカンパニー】メディアキャストオウンドメディア

『データ放送による2018沖縄県知事選 開票速報トライアル』を実施

2018年9月30日(日)

ANN系列で沖縄県を放送対象地域とする琉球朝日放送株式会社(本社:沖縄県那覇市、代表取締役社長:上原 直樹、略称:QAB)にて、データ放送による県知事選の開票速報トライアルを実施しました。

データ放送による選挙の開票速報は、全国的には既にNHKやキー局などで実施されてきており特に新規性が高い事ではないですが、大半の地方民放局がローカルデータ放送送出設備を所有していないことから、地方における県知事選や県議選で地方民放独自の
データ放送による開票速報はなかなか実施されていない実情があります。

とくに今回の沖縄県知事選は様々な背景から全国的にも注目されていたことはご存じの事ですが、系列民放局であるQABとしては日曜夜のゴールデン時間帯の系列ネット時間枠とはいえ、地元視聴者(県民)が最も知りたい情報を提供すべき基幹放送局の使命を果たすべく今回のトライアルに至りました。

トライアルに向けて数週間前から弊社からデータ放送装置「DataCaster M3」一式をQABへ持ち込み、QAB既存設備との接続試験を繰返し準備を進め、データ放送画面コンテンツはQABスタッフと綿密に相談しながら弊社にて制作し、随時更新される開票情報は朝日新聞社からの情報をQABスタッフにて手動入力するという運用体制で挑みました。

そして…
万全な準備を経てトライアル本番を迎えた訳ですが、開票が進むにつれ数時間に渡る接戦状態を経て当選者が決まるような状況を勝手に想像していた我々の期待に反し、午後8時の開票開始まもなく”当選確実”の私報が出たのはご存じの通りです。

その後は”当選確実”マークが点いた状態ではありましたが、時間経過と共に開票情報が更新されると各候補者の得票数の伸び具合や、一時的に接戦状態であったことも窺がえる時間帯もありました。

結果的にデータ放送による開票速報を待たずに先に結果(私報)が出てしまったので少々気が抜けた感はありましたが、”地元視聴者へのニーズに応え基幹放送局の使命を果たす”という目的は達成出来たのでは?と勝手に満足している次第です。
もちろん、技術面での問題点は全てクリアした点は言うまでもないです。

地デジ化と共に開始されたデジタルデータ放送ですが、冒頭に記述したように地方民放局ではビジネスモデルや設備面、技術者不足などの理由から、多数の局で未だ活用しきれていないのが実情です。
今後のネット同時配信など放送業界にとって新たな波が押し寄せてくるなか、地方選挙や高校野球県予選など地方独自のコンテンツを活かした色々な展開が必要とされます。その方法の一つとして未だ活かしきれていないデータ放送や、その先のHybridcast、そしてスマホアプリ展開などの活用が重要になるといえるでしょう。