2017.11.13
株式会社チューリップテレビ (本社:富山県高岡市、代表取締役社長 山下 清胤)は、ハイブリッドキャストによる地域情報コンテンツの表示と、視聴データと視聴者会員アプリとのデータ連携の在り方を検証する実証実験を実施いたします。
当実証実験は、今年5月に施行された改正個人情報保護法に伴う放送分野でのガイドライン改正を受けて、既存の視聴者会員組織と連携することにより、将来的な視聴履歴データ(視聴ログ)の利活用を目指します。当実験は、ハイブリッドキャストの圧倒的な表現力と高機能性を活用すると共に、閲覧履歴データと視聴者会員アプリを連携させ、放送と通信を融合したサービスを発掘することを主眼としています。閲覧履歴データとプロファイルデータ(年齢、性別)を関連付けることで、テレビによる新しいマーケティングの実現や、地域コンテンツによる地域活性化を目的とした地方局独自の広告ビジネス等を模索するための試みで、平成29年度 総務省「ブロードバンドの活用による放送サービスの高度化に向けた技術等検証」事業の採択を受けて実施するものです。
既存の視聴者会員クラブのシステムとテレビを相互に連携することで、利用者にとって便利で手軽に利用できるサービスを提供し、かつ事業者にとってはサービス利用者像の特定を行うことを目指すものです。当実験では視聴者や会員へのインタビューやアンケートなども実施します。
尚、当実験内容を、来る11月15日(水)~17日(金)幕張メッセで開催される「InterBEE2017(2017年国際放送機器展)」のメディアキャストブースにおいて、メディアキャスト社がデモンストレーションを交えて紹介します。
今回の実証実験では、ハイブリッドキャストと視聴者会員アプリをB-CAS番号によって関連づけし、地域情報サイト「まいぷれ」と連動したハイブリッドキャスト版「まいぷれx 6ch」や、地域広報誌「Lien(リアン)」などの地域コンテンツの閲覧履歴とアプリのプロファイルデータを連携させます。また、ハイブリッドキャストによる4K映像配信環境を実験的に構築します。また、ハイブリッドキャストに表示した地域コンテンツを、チューリップテレビ視聴者会員アプリ「ハッピーくらぶ」で外出時にも利用できるようにします。これにより、会員に新サービスの利用を促し、閲覧履歴データと視聴者プロファイルの取得を試み、将来的な視聴履歴データの利活用を目指します。
視聴ログは、従来は課金、統計での利用に限られていましたが、改正個人情報保護法の施行により放送分野でもガイドラインが改正され、視聴ログの活用制限が撤廃されたことで、今後の新しいサービス開発などが期待されています。
実証実験は3回に分けて実施し、初回は限定された視聴者モニター向け、2回目は実際の放送波を使ってアンケート実施。3回目は局内限定の4K映像配信実験を行い、今後、ハイブリッドキャスト本放送による実証後、実サービス化を目指します。実験による主な検証内容は以下のとおりです。
(1)視聴者が視聴ログや会員情報を提供することと、得られるサービスの価値とのバランス感を検証します。
(2)コンテンツと視聴ログをミックスして分析します。
(3)放送と連携した新しいサービスを検討します。
尚、当実証実験では、データ放送およびハイブリッドキャスト関連技術の提供を株式会社メディアキャスト(本社:東京都品川区、代表取締役 杉本孝浩)、視聴者会員アプリ「ハッピーくらぶ」の開発を株式会社キャンバス(本社:富山市、代表取締役社長 山本 博士)、情報データ提供で地域情報誌「Lien」の発行元である株式会社NEW SELECT(本社:富山市、代表取締役 大嶋 敬右)、地域情報サイト「まいぷれ」の運営社である株式会社フューチャーリンクネットワーク(本社:千葉県船橋市、代表取締役 石井丈晴)の各社が協力しています。
・視聴者の行動履歴を基に、視聴データを取得し、地域情報サイト「まいぷれ」と連携
・視聴データを起点に地域広報誌やチラシと連携し、関連する地域の4K映像を配信
・視聴者会員アプリ「ハッピーくらぶ」へ誘導し、情報を持出し可能に
実験フロー図
ハイブリッドキャスト トップ画面
チューリップテレビの新しい放送サービスへの取り組みと今後の展開 |
チューリップテレビは、完全地デジ化を見据えていちはやくデータ放送に取り組み、地方局の中では、データ放送やハイブリッドキャスト関連に先端的な挑戦を継続してきました。2011年にメディアキャストの統合型データ放送システム「DataCaster M3」を導入して、自社製作番組での番組連動データ放送を開始し、地域情報のさらなる強化のために地域情報サイト「まいぷれ」と連携したデータ放送「まいぷれ×6ch」を開始。2016年には、クラウド型「DataCaster Cloud M3」へリプレースし、新しいサービスを追加する場合に、自社で環境を整えなくても柔軟かつ迅速に対応可能な体制を整えています。チューリップテレビは、地域貢献、収益向上やさまざまな効果につながるよう、今後も、ハイブリッドキャスト、4K動画配信、視聴ログの活用などの最新技術や新しい取り組みに積極的に挑戦してまいります。
InterBEE2017(2017年国際放送機器展)について |
http://www.inter-bee.com/ja/about/outline/
◇会期:2017年11月15日(水)~17日(金)
◇会場:幕張メッセ
◇メディアキャストブース: 映像制作 / 放送関連機材部門 / ホール5 / ブース番号5202
http://www.inter-bee.com/ja/forvisitors/exhibitor_info/detail.php?exhibitor_id=7124
※平成29年度の総務省「ブロードバンドの活用による放送サービスの高度化に向けた技術等検証」事業の一環として採択され、実施される今回の実証の成果は、InterBEE2017の会場のメディアキャストブースにおいて、メディアキャスト社がデモンストレーションを交えて紹介します。
http://www.tulip-tv.co.jp/
株式会社チューリップテレビは、株式会社TBSテレビをキーステーションとするJNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)の一員として1990年10月に開局、2011年7月の完全デジタル化(アナログ放送終了)を機に、コンテンツ制作から送出・運用を一つのシステムに統合したメディアキャストの統合型データ放送システム「DataCaster M3(データキャスター エムスリー)」を導入した。データ放送が低価格、かつ誰でもオペレーションできるものとなったことで、既存の設備と系列キー局からのコンテンツを生かしながら、データ放送のローカルコンテンツの充実に取り組んでいる。2012年4月からは、「まいぷれ×6ch」をスタートし地域情報の提供を開始するなど、地上デジタル放送による地域密着の実現を目指している。
チューリップテレビモバイル会員クラブ「ハッピーくらぶ」について |
http://www.happy-club.tv/
開局以来放送しているお誕生日をお祝いする番組「ハッピータイム」をモチーフに、お誕生日を3倍楽しくするをコンセプトに、2001年にフィーチャーフォン向けのメール会員クラブとしてスタート。会員ID数は、約12,000人(2008年度実績)。2017年にサイトの全面リニューアルをおこないレスポンシブ対応となり、普及著しいスマホフレンドリーを実現した。さらに無料の会員アプリの提供を開始し、アナウンサーからのバースデーボイスやアナウンサーによるボイスアラーム機能、番組「ハッピータイム」のような動画を作成できる機能などを提供し、視聴者のスマートフォンにおけるチューリップテレビの存在感の拡大に貢献している。
インターネットで広く用いられているHTML5を利用した情報配信技術とテレビ放送とを組み合わせ、放送と通信を融合したサービスを実現する技術。既に、近年発売されているスマートテレビの多くで採用され、今後普及が期待されている次世代データ放送。
本報道関係お問い合わせ先
○株式会社チューリップテレビ
担当:編成技術局 里崎 亨
TEL:076-442-7000 (代表)